「次回決めましょう」が何度も出る議題から、会社の止まり方が見える

月曜の幹部会議。議事録の「検討事項」に、先月も先々月も見た項目が並んでいます。

「採用の条件」「新サービスの価格」「古い設備の入れ替え」。社長が「では、次回までに考えておきましょう」と言い、会議は終わります。

中小企業の現場で起こりがちな場面として、こうした議題が3つ、4つと積み上がっている会社があります。

経営者が怠けているわけではありません。多くの場合、本人は真剣に考えています。それでも決まらないまま、時間だけが進んでいきます。

社長の「検討中」は、現場では「止まっている」に見えている

現場で起こりがちな場面として、こんなことがあります。

社長にとって、その案件は「検討中」です。毎日どこかで考えているつもりでいます。

一方、担当者は「社長の返事待ち」と書いたまま、別の仕事を進めています。いつ決まるか分からないので、準備を始めることも、取引先に答えることもできません。

1か月後、取引先から「あの件、どうなりましたか」と聞かれても、担当者は答えを持っていません。

「検討中」と「止まっている」は、社長の頭の中と現場とで、意味が違います。

決めないでいる間も、会社は「決めない」という判断をしている

先送りには、もっともな理由があります。情報が足りない。いま決めると失敗しそうだ。もう少し様子を見たい。

どれも間違いではありません。ただ、決めないでいる間も、会社は「決めない」という判断をしています。

その判断は、誰にも選ばれていません。期限も、理由も、記録に残りません。

そのあいだ、現場は待ちの時間を使い続けます。担当者も、次に同じ相談を持ち込むかどうかを、静かに考え始めます。

決められない理由は、性格より「決める条件」と「期限」がないことが多い

決断できない経営者を、慎重すぎる、優柔不断だと見る人もいます。ですが、現場でよく見るのは別の姿です。

何が揃えば決められるのかが、言葉になっていない。いつまでに決めるのかも、決まっていない。

条件も期限もない判断は、いつまでも「もう少し」で続きます。しかも判断の材料は社長の頭の中にしかないので、幹部が代わりに情報を集めることもできません。

条件は、大きなものでなくて構いません。新サービスの価格なら「主なお客様の2社に反応を聞いたら」、設備の入れ替えなら「見積もりが2社分そろったら」といった一言で足ります。

これは、能力の問題というより、決め方の設計の問題です。設計なら、変えることができます。

議事録を3か月分並べ、止まっている判断に条件と期限を付ける

今日できる確認です。

1. 直近3か月分の会議の議事録(または議題メモ)を机に並べる

2. 2回以上載っている議題に印を付ける

3. 印を付けた議題ごとに、次の3行を書く

- 何を決めるのか

- 何が揃えば決められるのか

- いつまでに決めるのか

書いた3行を、次の3つに分けて見ます。

- 「何が揃えば」が書けない議題は、情報が足りません。誰に何を聞くかを決めます

- 「いつまでに」が書けない議題は、期限の問題です。日付を1つ置きます

- 2行とも書けるのに決まっていない議題は、決めること自体にためらいがあります。何が引っかかっているのかを、1行で書いてみます

最後に、決めたことを現場に伝えます。「この件は○日に私が決める」と一言伝えるだけで、現場の「止まっている」は「待てる」に変わります。

決めないと決めることも、立派な判断です。その場合も、期限と理由を残しておきます。

条件の置き方は会社ごとに違う。決めたあとに動くところまで一緒に見る

何が揃えば決められるのか、どこまで急ぐのかは、会社の規模や業種、資金の状態によって違います。早く決めることが、いつも正解とは限りません。

自分の頭の中にある判断の条件は、自分では言葉にしにくいものです。質問される側に回ると、すっと出てくることがあります。

HITOTASUが一緒に見るのは、社長の頭の中にある判断の条件を言葉にして、幹部や担当者が使える形に整える部分です。自社だけで整理しにくいときは、第三者として議題を一緒に棚卸しする方法もあります。決めるだけで終わらず、現場で動き、成果が出るところまで進めることもできます。

いま、あなたの会社で「次回決めましょう」が何度も出ている議題は、いくつあるでしょうか。